Vahalluは、「近代シンハラ文学の父」とも呼ばれるシンハラ語の小説家・批評家・随筆家、マーティン・ウィクラマシンハ(Martin Wickramasinghe、1890-1976)の短編集です。1951年に初版が刊行され、題名は英語で束縛と訳されています。本書はシンハラ語版です。題名はWahalluとも表記されます。
著者の作品を手がける出版社によれば、本書はウィクラマシンハが円熟期に書いた十五編の短編を収めています。Handa Sakki Kima(1945)と、1940年代の偉大な長編小説Gamperaliya、Madol Doova、Yuganthayaに続く、彼の最後の主要な短編集でした。
表題作は、荷車引きのウパリスと、彼が病に倒れたときに寄り添う忠実な雄牛ハンダヤの物語です。この短編はのちに、彼の短編の英訳選集にBondageの題で収められました。本書にはさらに付録として、ウィクラマシンハが自らの考えを述べた短編小説論が収められており、本格的な小説は王や大臣ではなく庶民の生活を描くべきだと論じています。
ウィクラマシンハの短編小説について論じた政治学者ジャヤデーヴァ・ウヤンゴダは、Vahalluを、最初の短編集Geheniyakに始まる、庶民を共感をもって裁くことなく見つめるまなざしを受け継ぐ作品とみなしています。同時に、語りの技巧はいっそう洗練され、作者自身の論評が入り込む余地はもはや残されていない、としています。
短編作家として最も円熟したウィクラマシンハを読みたいシンハラ語の読者や、近代シンハラ短編小説を学ぶ学生におすすめです。
- 著者: Martin Wickramasinghe
- 刊行年: 1951
- 言語: シンハラ語



